まず、賢くバックアップするための考え方と対策のポイントをまとめています。
さらに、セキュリティ、復元できる安心感そしてコストを考慮したうえで、遠隔地レプリケーションのSaaS型プランであるtorocca!を試用し、レビューしています。バックアップ対策のご参考にぜひお役立てください。
まず、賢くバックアップするための考え方と対策のポイントをまとめています。
さらに、セキュリティ、復元できる安心感そしてコストを考慮したうえで、遠隔地レプリケーションのSaaS型プランであるtorocca!を試用し、レビューしています。バックアップ対策のご参考にぜひお役立てください。
デジタルデータが、永遠にそのままの状態で存続すると思うことは幻想です。時間とお金と一緒です。
必要なときに、必要なデータを、必要な人が利用できるように面倒をみてあげる必要があります。もちろんこのデータは、安全な状態で保たれていなければなりません。さらに、もしもの場合に備える必要があります。利用できなくなった場合の、復元方法のプラン作成とその稼働、そして実際に復元できるか訓練することです。
言うまでもなく、これがバックアップ対策のポイントです。具体的には、多くの組織では可用性(availability)を高めるなど、情報セキュリティの向上を目指してきました。同時に災害などさまざまなリスクに備えて、可能な限り早くデータを復旧し、業務を再開するしくみも整えてきました。
それでは、いまどきのやり方はどのようになっているのでしょうか。その実現のためには、複数のバックアップ手法の組み合わせが必要と考えています。それも比較的容易で、かつリーズナブルであることが望ましいですね。次項にて、何をどのように組み合わせればいいかを解説したいと思います。
結論として、ファイルバックアップとスナップショットバックアップとを組合せ、併用することが効果的と考えています。
具体的にはファイル単位の復元を目的とする場合は、特定の機能をネットワーク経由で利用する、SaaS型のバックアップサービスを利用します。一方システム故障した際に、正常時の状態に復元することを目的とする場合は、スナップショットバックアップ機能を選択します。
次にファイルバックアップとスナップショットバックアップの両者について、さらに詳しくみていきましょう。
この場合負担とはお金、時間そしてスキルの3つです。
これらを最大限に使ってバックアップの仕組みを構築することは理想ですが、現実的には不可能です。組織の優先順位に従って多大な「リスクへの対応」(※1)を行い、リスク自体の回避や移転を行っていく必要があるからです。ファイル単位の復元を目的とするファイルバックアップには、注意点がありますやってはいけないことは、手元のPCにある記憶媒体HDD(SSD)またはUSBメモリーに、ルールを決めないでどんどん蓄えることです。いつか復元に使うかもしれない漠然とした不安から、このお手軽な方法を常用するのは、下記のような複数の危険があります。
そのため組織では5W1Hに基づいてルールをつくり、予算に応じて外部のサービスを利用し、そしてルールを守るようになってきたのではないでしょうか。何より大切なことは、何(どのファイル)をどこに(バックアップ先)です。
特にバックアップ先の選定では、物理的に離れたきっちりとした場所にしなければなりません。災害などで事務所やWebサーバーなどを保管しているデータセンターが崩壊した場合には、手元でいくら対策をしていても意味がないからです。詳しくは、次項「バックアップをローカル環境にとっておくのは、なぜ駄目なのか?」にて説明します。
多くの場合、この機能は利用中の専用サーバーやVPSプランに付属しています。料金のかかる場合とかからない場合があるため、オプションメニューのラインアップをご確認ください。
そもそもスナップショットバックアップとは、ある時間にシステム全体としてバックアップして、その時間に復元するために用いられています。イメージバックアップとも呼ばれています。(※2)この場合「イメージ」とは写真画像の意味ではなく、システム全体をそっくりそのまま1つの大きな塊(データ)にコピーした状態を指しています。そのため、システム故障した際には正常時の状態に復元することが比較的容易に行うことができます。それでも、以下のようなデメリットもあるため、すでに説明したファイルバックアップの代替にすることはできません。
続いて、バックアップしたデータをどこに保管したらいいかについて、考えてみたいと思います。
大事なものほど、手の届くところに置いておきたい心理も理解できますが、こちらも以下の点で幻想です。
セキュリティ対策を強固にすれば安心で、いい加減にすれば不安なのは、重要なデータがどこにあっても同様です。
ポイントは手法の導入に加え、管理手順の策定とその順守です。そのため重要なデータの複製であるバックアップを、物理的に遠隔地に置くことの怖さで躊躇するよりも、以下のようなメリットに注目すべきではないでしょうか。
ローカル環境でどんなに充実したバックアップの仕組みを整えていたとしても、いざという時に果たして事業継続が可能でしょうか。
例えば地震や火災などでオフィスビルが崩壊したり、ネットワーク経由と人為的な組み合わせでバックアップデータやメディアが盗まれたとしたら、データの復元は残念ながら不可能です。そして仕事ができず、多くの場合組織の存続さえもが危ぶまれます。誰でも正直なところ、いざという時のことはあまり考えたくはありません。面倒というより、対策内容とコストが膨大になるからです。
それでも最近頻発している災害、事件や事故などが、自組織に及ぼす影響を考慮する必要が増えてきました。
この対処方法と考え方が、災害復旧(DR= Disaster Recovery)です。
キーワードは物理的な分散と、対策しないことを決めること(リスクの受容)です。日本列島全体が同時に沈没しなければ、一つの拠点が壊滅したとしても、別の場所は大丈夫という「確率」に懸けています。バックアップデータを蓄えている、頑丈なデータセンターまでもが同時に崩壊しないことを前提にしています。
以上により遠隔バックアップは、今や組織の存続を左右する考え方になったとおわかりになりましたでしょうか。
なおこの遠隔バックアップは、別名では「遠隔地レプリケーション」と呼ばれています。この場合、レプリケーションとは複製の意味合いがあります。では、この遠隔地レプリケーションを実際に導入するには、どのようにしたらいいのでしょうか。やはり膨大な投資が必要なのでしょうか。誰もがすぐに、リーズナブルな予算で取り入れるプランはあるのでしょうか。次項では実際に、あるSaaS型サービスを利用した事例を紹介し、利用状況をまとめてみたいと思います。
遠隔地レプリケーションのツールは、数多くの企業からリリースされています。
今回はその中で、GMOクラウド株式会社が昨年2016年より提供している、torocca! (トロッカ!) という名称のSaaS型サービスを紹介します。筆者個人の感想と、実際に試用してわかったおすすめの利用方法を以下のようにまとめました。
(試用期間: 2017年5月16日から6月15日の1カ月間)
繰り返しになりますが、やはりファイルバックアップであるtorocca!と、レンタルサーバーに付属しているスナップショットバックアップとを併用することが、最も効果的と考えます。さらに組織の目的と規模に応じて、SaaS型プランを選択すれば、バックアップ体制を至急確立する場合に効果があると考えています。
日常業務ではもちろんのこと、情報セキュリティ認証の取得を目指す場合にも向いているのではないでしょうか。
ここまでいかがでしたか。
バックアップの目的を知り恐れず前向きに、そして組織に合うよう施策を決めて実施することが何より重要です。膨大なリスクにひるむことなく、まずはリスク自体を低減することが肝要です。そのためのSaaS型のtorocca!を対策に組み込むことは、賢明な選択となるでしょう。
参考資料:
※1 情報セキュリティマネジメントとPDCAサイクル (独立行政法人 情報処理推進機構)
※2 Definition - What does Snapshot Backup mean?
※3 storage snapshot
※4 スナップショットをバックアップの万能薬と考えるべきではない。その理由とは?
※5 torocca!を支える安心の設備と高いセキュリティ
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